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数値解析法第一回レポート課題

カルダノ法

三次方程式の代数的解法であるカルダノ法は、特殊な形の三次方程式の解の公式であるデル・フェロ、タルタリアの公式と、一般的な三次方程式をその公式が適用できる形に帰着させるカルダノ変換を組み合わせた解法である。

デル・フェロ、タルタリアの公式

デル・フェロ、タルタリアの公式は、二次の項がない三次方程式の解の公式であり、次の因数分解から導出される。

x^3+y^3+z^3-3xyz=(x+y+z)(x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx) (1)

p=-3yz、q=y3+z3と置くと、式(1)の左辺は

x^3+px+q (2)

となり、x3+px+q=0の解は、次の連立式方程式の解に帰着する。

-3yz=p (3)
y^3+z^3=q (4)

式(3)の両辺を-3で割り、三乗すると

y^3z^3=-p^3/27 (5)

となり、二次方程式の解と係数の関係から、y3,z3

X^2-qX-p^3/27=0 (6)

の二つの解となる。よって、y3,z3

{q±√(q^2+4/27p^3)}/2 (7)

であるので、y,zは

[{q±√(q^2+4/27p^3)}/2]^(1/3) (8)

となる。

式(1)より、x=-y-zが解であるので、解の公式は次のようになる。

x=-[{q-√(q^2+4/27p^3)}/2]^(1/3)-[{q+√(q^2+4/27p^3)}/2]^(1/3)=[-q/2+√{(q/2)^2+(p/3)^3}]+[-q/2-√{(q/2)^2+(p/3)^3}]^(1/3) (9)

カルダノ変換

カルダノ変換は、変数変換によりn次方程式からn-1次の項を消去する変換で、二次方程式の解の公式の導出に用いる平方完成もカルダノ変換である。また、三次式に適用されるカルダノ変換を立方完成と呼ぶことがある。

n次方程式を式(10)と置くと、カルダノ変換は式(11)となる。

a[n]*x^n+a[n-1]*x^(n-1)+…+a[0]=0 x^n+A[n-1]x^(n-1)+…+A[0]=0 (A[k]:a[k]/a[n]) (10)

x=X-A[n-1]/n (11)

この変換でn-1次の項が消去されることを式(12),(13)で示す。

x^n=X^n+nC1{-(A[n-1]/n)}X^(n-1)+… =X^n-A[n-1]X^(n-1)+… (12)
A[n-1]x^(n-1)=A[n-1]X^(n-1)-… (13)

式(11)より、n=3のカルダノ変換は、式(14)となる。

x=X-A[2]/3 (14)

複素数解

式(9),(14)より、一般的な三次方程式の実数解が求められるが、複素数解を求めることは出来ない。そこで、式(9)を複素数に拡張する。

x3=1の複素数解の一つをωと置くと、x3=aの解は

x=(a)^(1/3),ω(a)^(1/3),ω^2(a)^(1/3) (15)

となるので、これと式(8)より、y,zは次のようになる。

[{q+√(q^2+(4/27)p^3)}/2]^(1/3),ω[{q+√(q^2+(4/27)p^3)}/2]^(1/3),ω^2[{q+√(q^2+(4/27)p^3)}/2]^(1/3) (16)
[{q-√(q^2+(4/27)p^3)}/2]^(1/3),ω[{q-√(q^2+(4/27)p^3)}/2]^(1/3),ω^2[{q-√(q^2+(4/27)p^3)}/2]^(1/3) (17)

式(16),(17)より、x3+px+q=0の解として、9パターンが考えられるが、式(3)を満たすy,zは3パターンであり、その解は

x=ω^k[-q/2+√{(q/2)^2+(p/3)^3}]^(1/3)+ω^(3-k)[-q/2-√{(q/2)^2+(p/3)^3}]^(1/3) (k=0,1,2) (18)

となる。

式(9)の代わりに式(18)を使うことにより、一般的な三次方程式の実数解と複素数解が求められる。

なお、k=0とすると、式(18)は式(9)に帰着する。

フェラーリ法

四次方程式の代数的な解法であるフェラーリ法は、四次方程式を(二次式)2=(一次式)2の形に変形して解く、完全平方式を利用した解法である。

一般的な四次方程式の両辺を、四次の項の係数で割り、カルダノ変換を施した

x^4+ax^2+bx+c=0 (19)

の解を求めることを考える。

式(19)をx4=-ax2-bx-cと移項し、両辺に2kx2+k2(k:定数)を加える。

x^4+2kx^2+k^2=(2k-a)x^2-bx+(k^2-c) (20)

すると、左辺は(x2+k)2となるので、kの値を右辺が(一次式)2の形になるように定めればよい。式(20)の右辺が(一次式)^2の形になることは、(2k-a)x2-bx+(k2-c)=0が重解を持つことと同値である。よって、求めるkは

b^2-4(2k-a)(k^2-c)=0 (21)

を満たす。このような補助的な方程式を、与えられた四次方程式に関する三次分解方程式と言う。

式(21)はkの三次方程式であるので、カルダノ法などを用いればkの値が定まり、そのkを式(20)の右辺に代入すると(dx+e)2となり、式(19)の解は

x^2+k=±(dx+e) (22)

という二つの二次方程式の解に帰着する。

五次以上の方程式の解

五次以上の方程式の代数的な解法は必ずしも存在しないことが示されている。即ち、五次以上の方程式の解を、その式の各項の係数と有理数の、有限回の四則演算と、有限回の根号を取る組み合わせで表示することは出来ない。これは一八二三年にノルウェーの数学者、ニールス・アーベルが証明した定理である。

また、フランスの数学者、エヴァリスト・ガロアは、この定理のさらに先に進み、どのような場合に与えられた方程式が代数的な解の表示を持つかの判定法を、一八二九年に示している。これは現在ガロア理論と呼ばれている物で、ガロアはこの理論を用いて、アーベルが証明した定理に、大幅に簡略化された証明を与えている。

参考文献

木村俊一 著:”天才数学者はこう解いた、こう生きた”,講談社(2001)
「物理のかぎしっぽ」(http://www12.plala.or.jp/ksp/)


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